9.2. 評価額の推測

本章の導入で説明したように、資本利得とは資産の売却により得られる利益です。 本節ではGnuCashで資本利得を記録する方法を説明します。

資産増価を扱う場合は減価償却と会計方法が少し異なります。なぜなら、通常は資産を売却して資本利得が実現される瞬間にだけ関係があるだからです。 これは減価償却の追跡が連続しているということと本質的に反対です。 政府は何らかの方法で資本利得に課税することにかなり関心がある傾向があるので、資本利得は課税の世界の重大な話題です。

注記

いつものように、例外があります。 満期にすべての利子が支払われる債券を保持している場合、税務当局はしばしば毎年の利子計上を要求し、資本利得として扱うことを拒否します。 持っている資産の種類に応じた資本利得の課税に関する適切な扱いを決定するためには適切な税法を参照してください。

資産の評価額増加を推測することは、売却するその瞬間まで厳密な価格を知るのが難しいのため一般には簡単ではありません。

証券取引所などの公開市場で毎日取引される証券は、おそらく評価額を予測可能な最も簡単な種類の資産です。市場価格で資産を売却するのは証券会社を呼んで、成行注文を発行するのと同じくらい簡単です。 一方、住宅について評価するのはより難しいです。 住宅は株式に比べあまり売却されません。また、売却ではかなりの努力と交渉を費やす傾向があります。それは、見積もりがそれほど正確でない傾向があることを意味します。 同様に、中古車を売却時の交渉過程も価格決定が少し予測できないものになります。

宝石、美術品、ベースボールカードおよびビーニーベイビーズなどの収集品の価値はさらに見積もりにくいです。 そのような物の市場は証券市場よりあまり開いていません。住宅市場よりもあまり開いていません。 さらに難しいのは唯一無二は資産です。 工場にはある特定の製品を製造するためにカスタマイズされたプレス機と金型があり、その価格は何万ドルも何十万ドルもします。 この設備はまさにその特定の状況外で価値がありません。 そのような場合、いくつかの相反した評価額が資産に付けられるかもしれません。それらはいずれも明白に正しいわけではありません。

会計処理で一般的に行われる未実現利益 (または損失) の見積もり方法は、非常に良く評価額が推定でき、容易に売却可能な株式などの資産だけを再評価することです。 その他すべての資産については、それらを売却し、正確に資本利得を決定できる時点まで単純に待つ方が良いです。 もちろん、これに厳密な規則はありません。実際は会計士が異なれば会計方法も異なります。